五月人形

時代とともに、社会とともに子供たちを取り巻く環境も、ずいぶんと変わってきています。
けれども、すくすくとたくましく育ってほしいという我が子への思いは、今も昔も変わりません。
ご両親のそんな願いを込めた、端午の節供。
勇壮なお飾りと、心からの祝い膳に、子供たちはきっと、大きな愛を感じるに違いありません。
国民的にもなった「五月五日、端午の節供」は、家族の絆をより強くし、そして未来へ
伝える日本の文化とし大切にしていきたいものです。

■ メニュー
●端午の節句について
1.端午のいわれ
2.端午の節供は「菖蒲が源」
3.江戸時代に定着した五月人形
4.身を守る鎧・兜
5.鯉のぼり「登竜門」

●Q&A
Q1 五月人形は誰が買うのでしょうか?
Q2 五月人形の選び方を教えて下さい。
Q3 次男・三男が生まれたらどうすればいいでしょうか?
Q4 五月人形の保管方法を教えて下さい。
Q5 シーズンが近ずくと色々な販売店が売り出しますが
どのようなお店で購入するのが良いでしょうか?


端午の節句について

端午のいわれ
 「端午」は古来、月初めの午の日を指しましたが、奇数月の同じ数字の重なる日を節供としたならわしから、何時の頃からか五月五日に限られるようになったものです。
 この日を、「子供の日」として祝日に定められたのは、昭和23年。厄除けにつながる菖蒲湯の風習を残しながら、武者人形を飾って男の子の成長を祝う習慣は、わが国独特の「端午の節供」行事として現代にも受け継がれています。

端午の節供は「菖蒲が源」
 端午の節供は、もともと中国の習俗を起源としています。
古く中国には五月を忌み、初午の日に薬草によって災厄や病魔を払うならわしがありました。その風習が日本に伝わり宮廷や武家の年中行事として発展したのが起こりといわれます。菖蒲やよもぎなどの薬草を軒に指し、厄除けをする習慣はその流れをくむもの。桃の節供に対し菖蒲の節供といわれるゆえんです。

江戸時代に定着した五月人形
 菖蒲が「尚武」に通じることから男子の武運栄達、さらには健やかな成長を願う行事として、端午の節供江戸時代中期に定着しました。
 紙の鯉のぼりや家紋を入れた内・又鎧・兜も登場し、男児の成長と無病息災を願う行事は武家社会を中心に盛んに行われるようになりました。
鯉のぼりを立てることは、男児の誕生を天に告げ、その守護を願う為の目印ともされています。

身を守る鎧・兜
 鎧・兜は昔、武家社会の男子にとって非常に大切なものでした。また、今日では、男子の身を守るという意味を持っており、端午の節供に飾る事で、男の子の誕生を祝い、交通事故や病気にかからないように、身を守ってほしいという願いが込められています。

鯉のぼり「登竜門」
鯉のぼりの由来は、鯉が「竜門」という急流の川をのぼると龍になって天へ登るという、中国の伝説からきています。健やかな成長と立身出世を願うご家族の温かい真心です。


Q&A
Q 五月人形は誰が買うのでしょうか?
全国的にみて、お嫁さんの実家でお揃えになる習慣が多いようですが、しきたりや習慣にとらわれるよりも、子供の成長を心から祝福する気持ちを大切にして御両家で相談されて予算を決めて、無理なく出来る範囲でお祝いしたらいかがでしょうか。

Q 五月人形の選び方を教えて下さい。
まず御予算を決めて、飾る場所のサイズや収納スペースも調べておきます。五月飾りには鎧飾り、兜飾り、武者飾りなどが代表的なものです。品質や大きさのバランス等、全体の調和のとれたものをお選びください。

Q 次男・三男が生まれたらどうすればいいでしょうか?
お父様の五月人形を譲ったり、兄弟で兼用するのは避けたいもの、価格に関係なくそれぞれのお子様に揃えてあげて下さい。
小さな兜飾りや武将飾り、鯉のぼりや武者人形などをおすすめいたします。

Q 五月人形の保管方法を教えて下さい。
比較的湿気の少ない納戸や押入れの上段、あるいは天袋などに保管して下さい。柔らかい布や紙でそっと包んでホコリやチリから守ってあげましょう。防虫剤は適量を超えると破損の原因となりますので注意しましょう。 (飾り方、しおり等を読んでおきましょう)

Q シーズンが近ずくと色々な販売店が売り出しますが
どのようなお店で購入するのが良いでしょうか?
製造直販や大幅割引をうたったお店は敬遠するのが賢明だと思われます。節供人形は完全な分業で製造されていますので「製造直販」ということはありえません。また、大幅な値引きをうたったお店は割引分の金額を始めから価格に上乗せしていることが多いので、注意が必要です。やはり、予算や環境にあわせて親身になって相談してくれるような、地域の信頼のある専門店やデパートなどで購入されるのが良いでしょう。